【新型コロナ】家に引きこもりテレビばかり見ていると血栓症リスクが上昇 立ち上がって運動を
2022年01月26日
コロナ禍で、外出を自粛したり、リモートワークが増えるなど、多くの人が長時間座ったまま過ごす時間を増やしている。
テレビを1日4時間以上視聴していると、血栓症のリスクが35%高くなるという調査結果を、欧州心臓病学会(ESC)が発表した。
「テレビやパソコンなどを長時間見るときには、30分ごとに立ち上がり、ストレッチやエアロバイクなどで体を動かすよう努めるべきです」と、研究者はアドバイスしている。
テレビを1日4時間以上見ていると血栓症リスクは35%上昇
テレビやパソコン、スマホなどを見ながら長時間座ったままでいると、血栓症のリスクが高くなる。血栓症とは、なんらかの原因で血管の中に血のかたまり(血栓)ができ、それによって血管がつまってしまう病気だ。 糖尿病や肥満の人は、血糖値が高い状態が続くと、血液の流れが悪くなり血栓ができやすい。また、動脈硬化が進行していると、血栓により血管がつまりやすくなるが、糖尿病は動脈硬化とも関連が深い。 欧州心臓病学会(ESC)によると、テレビなどを長時間視聴するときは、休憩をとって立ち上がり、体を動かすと、血栓症を予防できる。研究によると、テレビを1日4時間以上視聴していると、2.5時間未満しか視聴していない場合に比べ、血栓症のリスクが35%高くなるという。 コロナ禍で、外出を自粛したり、リモートワークが増えるなど、多くの人が長時間座ったまま過ごす時間を増やしている。血栓症の予防は切実な課題になっている。30分ごとに立ち上がり体を動かす習慣を
「運動をする習慣のある人でも、長時間のテレビ視聴など、体を動かさない時間が長いと、血栓症のリスクは上昇します。テレビやパソコンなどを長時間見るときには、30分ごとに立ち上がり、ストレッチやエアロバイクなどで体を動かすよう努めるべきです」と、英ブリストル大学医学部のセター クヌッソール氏は言う。 「とくにテレビを見ながら、高カロリーのスナックやお菓子などを食べるのは、最悪の組合わせです」としている。 この研究では、テレビ視聴と「静脈血栓塞栓症」との関連を調べた。静脈血栓塞栓症とは、深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症をまとめた呼び方で、「エコノミークラス症候群」とも呼ばれる。 座ったまま長時間同じ姿勢でいると、主に足(下肢)が圧迫され、血液の流れが悪くなり血栓ができ、そこに痛みや腫れが生じることがある(深部静脈血栓症)。さらに、血栓がはがれ肺の血管に流されると、血管がつまり、胸が痛い、呼吸が苦しいなどの症状が起こる(肺塞栓症)。最悪の場合は、死亡にいたることもあるので、予防が大切だ。 血栓ができる主な原因は、体を動かさないでいて、足の血流が悪くなること。飛行機だけではなく、長時間座席に座って移動するときや、オフィスでのデスクワーク、長時間のテレビ視聴などでも発症する可能性があると考えられている。体を動かさないことは、血栓の発生リスクを高める危険な行為
テレビを見ながらスナックやファストフードを食べるのは最悪
なお、今回の研究は観察研究にもとづくもので、長時間のテレビ視聴が血栓を引き起こすメカニズムについて詳しくは分かっていないが、クヌッソール氏は「窮屈な姿勢で長時間座ったまま過ごすと、血流が悪くなり四肢に血液がたまり、血栓ができやすくなります」と説明している。 さらに、「テレビを長時間見る習慣のある人は、高カロリーのスナックや不健康なファストフードを好んで食べる傾向があり、これらは2型糖尿病や高血圧、肥満につながる可能性があり、相乗的に血栓症のリスクを高めます」と指摘。 「テレビの前で多くの時間を過ごすのを制限する必要があるかもしれません。座ったまま体を動かさないでいることは、血流を悪くする危険なことです。日常生活や仕事で、パソコンの前で何時間も座ったまま過ごすときには、ときどき立ち上がって体を動かす必要があることを気にとめておいて欲しい」とアドバイスしている。 TV watching linked with potentially fatal blood clots (欧州心臓病学会 2022年1月20日)Television viewing and venous thrombo-embolism: a systematic review and meta-analysis (European Journal of Preventive Cardiology 2022年1月20日)
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