中高年の6割が睡眠の悩みをもっている 不眠が生活習慣病リスクに
2015年10月02日
40代から70代の男女の6割に何らかの睡眠の悩みをもっているが、半数は医師に相談していないという調査結果が発表された。
6割が不眠で悩んでいる 最大の原因は「不安や緊張、ストレス」
製薬企業のMSDは、全国の40代から70代の男女8,000名を対象に、不眠に関する意識と実態を明らかにするためのインターネット調査を実施し、その結果を発表した。
不眠の症状は主に、なかなか寝付けない「入眠困難」、夜中に目が覚め、その後なかなか眠れない、あるいは夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」、朝早すぎる時間に目が覚める「早朝覚醒」の3つに分類されている。
今回の調査では、過去1ヵ月の睡眠状態について週1回以上該当する症状があるかを聞いたところ、約4割は「不眠症状なし」(38.0%)と回答し、残りの6割にも何らかの不眠症状があることが判明した。
中でも"睡眠維持力の低下"による不眠(中途覚醒、早朝覚醒いずれか、または両方を有する)が55.0%に上り、中年以上の不眠では、不眠=寝つきが悪いだけではないことが分かった。さらに、「入眠困難」「早朝覚醒」「中途覚醒」の3つの症状全てを抱える人が18.1%と、40代以上の約5人に1人が該当することが示された。
不眠症状がひとつでもあると答えた人に、眠りたいのに眠れない原因について聞くと、「不安や興奮、緊張やストレス、考え事などで眠れない」(50.8%)がもっとも多く、「日中、十分に活動していないため疲れておらず、眠れない」(17.6%)や「生活のリズムが不規則で眠れない」(15.7%)を大きく上回った。
不眠を治療しないと生活習慣病のリスクが上昇
さらに、高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と不眠症の関連を聞いたところ、生活習慣病患者の半数以上(54.3%)が、不眠症と診断されているか、国際基準「アテネ不眠尺度(AIS)」で不眠症の疑いがあると判定されるという結果になった。一方、生活習慣病と診断されておらず、通院も処方薬の服用もしていない人では、不眠症または不眠症の疑いがある人は44.4%にとどまった。
生活習慣病患者で、かつ、不眠症の疑いあり人に不眠に対する悩みを聞いたところ、「悩みはあるが、医師に相談したことはない」(46.8%)という回答がもっとも多く、医療機関へ相談していない人が約半数いることが分かった。
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