体重は量らないと増える 週に1回以上の測定で肥満を予防

 自分で体重をはかる頻度の高い人は体重が減りやすい傾向がある。逆に、体重をはからない日が1週間続くと体重が増えやすいことが、フィンランドのタンペレ工科大学と米国のコーネル大学による研究で明らかになった。
体重を1週間以上はからないと体重が増えやすい
 ダイエットに取り組んでいる人の多くは、体重計に乗ることを日常的な習慣としている。しかし、体重をはかる頻度が体重にどのような影響をもたらすのか不明の点が多い。

 研究チームは、ダイエットを目標としている40人(男性 13人、女性 27人)の成人を対象に、体重測定と体重の変化について調査した。参加者の平均年齢は45歳、全員が過体重か肥満で、体格指数(BMI)の平均は29だった。参加者は1年間に合計2,838回の体重測定を行った。

 その結果、体重をはかる頻度の高い人は体重が減りやすいことが明らかになった。5.8日ごとに体重をはかるともっとも体重が増えにくく、体重を1週間以上はからない人は体重が増えやすいことが判明した。

 「体重を頻繁にはかる人ほど、体重が減りやすいことが分かりました。体重を減らしたいのであれば、少なくとも週に1回以上、自分で体重をはかるべきです。毎日はかればなお効果的です」と、タンペレ工科大学のエリナ ヘランダー氏は言う。

 体重は週を通して変動している。もっとも体重が減りやすい曜日は水曜日であり、土日の休日には増えやすいことも示された。「体重を毎日はかるのが理想的ですが、週に一度だけはかるのなら、正確な数値が出やすい水曜日が良いでしょう」と、コーネル大学のブライアン ワンシンク氏は言う。

 ダイエットに真剣に取り組んでいない人は体重をはかることが少なかったり、体重測定をやめてしまった人は体重が減少しなくなる可能性があるので、今回の研究で体重測定と体重減少の因果関係を証明したことにはならないと、研究者は付け加えている。

 2005年にミネソタ州立大学が発表した別の調査では、体重をコントロールするために毎日はかると効果的であることが示された。体重を毎日はかった人は2年間で5.4kgの減量に成功したが、週に1回だけはかった人の減量は2.7kgにとどまった。まったくはからなかった人の体重は1.8kg増えていた。

Weigh-in Once a Week or You'll Gain Weight(コーネル大学 2014年12月17日)