木を植えると地域住民の健康状態が改善 自然が豊かな環境は健康にも有益
2024年09月26日
木や低木を2倍以上植えた地域に住む人は、心血管疾患や糖尿病などのリスクが大幅に改善することが明らかになった。
都市の緑化を推進することは、住民の睡眠の質の向上につながることが、別の大規模な調査でも明らかになっている。
「木々などの自然が豊かな環境は、美しいだけでなく、地域社会の住民の健康にも有益であることが示されました」と、研究者は述べている。
緑の多い自然豊かな環境は健康にも有益
木や低木を2倍以上植えた地域に住む人は、木を植えなかった地域に住む人に比べ、心臓病などの疾患のリスク因子になる炎症の値が大幅に低下することが、地域住民を対象とした新しいプロジェクトにより明らかになった。 研究は、米国のルイビル大学環境研究所が、ケンタッキー州ルイビルの745人の地域住民を対象に、地元の自然保護団体などの協力を得て行ったもの。 「木々などの自然が豊かな環境は、美しいだけでなく、地域社会の住民の健康にも有益であることが示されました。自然環境を整備することが、近隣に住むすべての人々の健康改善につながる可能性があります」と、同大学学長で経済学と生物学を研究しているキム シャッツェル氏は言う。近隣の緑を計画的に増やし健康を改善
研究グループは、プロジェクトで指定した近隣地域に、8,000本以上の大木や低木を植え、同時に住民の血液、尿、髪の毛、爪のサンプルを採取し、健康状態の変化を調べた。 その結果、木を植えた地域に住む住民は、木を植えなかった地域の住民に比べ、炎症のバイオマーカーである高感度C反応性タンパク(hsCRP)の値が13~20%低いことが分かった。 この値が高いことは、心血管疾患や糖尿病、がんなどのリスクと関連しており、今回の研究で確認された炎症リスクの低下により、心臓発作やがんなどの病気による死亡リスクが10~15%減少することが予想されるとしている。 「これまでの研究でも、緑が多い自然豊かな地域に住んでいる人は、健康状態が良い傾向があることが報告されていますが、近隣の緑を計画的に増やすことで健康を改善できることが示されたのは、今回がはじめてです」と、シャッツェル氏は指摘する。 「私たちのほとんどは、自然が健康に良いことを直感的に理解しています。今回の科学的研究により、地域に樹木を増えることが住民の健康に与える影響について理解が深まり、都市に緑地を増やす取り組みの後押しになることが期待されます」としている。都市の緑化は睡眠の質の向上にも関連
緑を増やして住民のメンタルヘルスを改善
緑を増やして住民のメンタルヘルスを改善
The Effects of Neighborhood Greening on Inflammation in The Green Heart Project (36th Annual Conference of the International Society of Environmental Epidemiology)
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Mechanisms underlying the associations between different types of nature exposure and sleep duration: An 18-country analysis (Environmental Research 2024年6月1日)
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