電子タバコも健康への悪影響は深刻 コロナ禍のストレスで女性の喫煙は増加
2021年10月18日
コロナ禍のストレスにより、「喫煙量が増加した」という女性が増えているという調査結果が発表された。「受動喫煙が増えた」と感じている人も多い。
電子タバコであれば、従来のタバコに比べ安全だと思っている人は少なくないが、電子タバコであっても、心臓病や脳卒中のリスクはやはり高くなるという研究も発表された。
「電子タバコがより安全だと考えるべきではありません」と、専門家は強調している。
電子タバコであれば、従来のタバコに比べ安全だと思っている人は少なくないが、電子タバコであっても、心臓病や脳卒中のリスクはやはり高くなるという研究も発表された。
「電子タバコがより安全だと考えるべきではありません」と、専門家は強調している。
コロナ禍のストレスでとくに女性の喫煙量は増加
コロナ禍により「喫煙量が増加した」という人の割合は、男性では21%、女性は38%と、女性は男性の約2倍という調査結果が発表された。男性の喫煙者は年々減っているが、女性の喫煙率は横ばいのままだ。
これは、コミュニティアプリ「みんチャレ」を展開しているエーテンラボが5月に発表した調査によるもの。
喫煙量は、男性では「かなり増加した」13%、「少し増加した」8%、女性では「かなり増加した」16%、「少し増加した」22%となり、女性の喫煙者ほど「喫煙量が増加した」割合は高かった。
新型コロナ流行前より喫煙量が増加した理由は、「気分転換のため」35%、「孤独感や不安感、ストレスのため」28%、「生活習慣の乱れのため」21%、「在宅勤務によりいつでも吸える環境になった」15%だった。
タバコは家族など周りの人の健康も害する
国立がん研究センターが行った「新型コロナウイルスとたばこに関するアンケート調査」でも、「新型コロナによるステイホーム・在宅勤務などで同居人の喫煙による受動喫煙は増えたか?」という質問に対し、10.6%が「増えている」と回答している。
「タバコは、本人の健康を損なうだけなく、家族など周りの人の健康にも悪影響を及ぼします」と、同センターは強調している。
「タバコによる健康への悪影響は科学的に明白です。受動喫煙の他者危害性やニコチンの依存性をふまえると、喫煙習慣は個人の嗜好にとどまらない健康問題であり、生活習慣病を予防する上で、たばこ対策は公衆衛生の重要な課題になっています」としている。
電子タバコも健康への悪影響が 血栓ができやすく
若者を中心に急速に普及している新型の電子タバコを吸っていると、細い血管の拡張機能が低下し、血圧や心拍数が上昇し、血栓ができやすくなる可能性があるという研究を、欧州呼吸器学会(ERS)が発表した。
新型タバコも、従来の紙巻きタバコと同じように健康に悪影響をもたらし、長期間吸っていると心臓病や脳卒中のリスクを高めるおそれがあるという。
研究は、スウェーデンのヘルシンボルグ病院の臨床医で、カロリンスカ研究所の研究員であるグスタフ ライティネン氏らによるもの。研究グループは、たまに喫煙しているが、それ以外は健康である18~45歳の22人の男女を対象に、二重盲検無作為化クロスオーバー試験を実施した。
ニコチンを含む電子タバコと含まない電子タバコを30回吸引してもらい、吸引前と吸引15分後、60分後に採血をして、血栓のできやすさを調べた。1週間以上の期間をおいて2セットの試験を行った。
電子タバコも安全ではない ニコチンは有害
新型コロナウイルスとたばこに関するアンケート調査の報告書公表(国立がん研究センター 2021年5月31日)
E-cigarettes containing nicotine cause blood clotting and make small blood vessels less adaptable(欧州呼吸器学会 2021年9月6日)
Electronic cigarettes containing nicotine increase thrombotic activity and impair microcirculation(欧州呼吸器学会(ERS)国際会議 2021年9月6日)
How dangerous are e-cigarettes ?(カロリンスカ研究所 2021年6月21日)
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