コロナ禍のいまこそ運動を オンライン運動プログラムで「いまより10分多く体を動かす」

 新型コロナウイルス感染症の影響により運動不足の人が増えるのが懸念されるなか、慶應義塾大学スポーツ医学研究センターと神奈川県藤沢市は、藤沢市保健医療財団とともに、オンライン動画プログラム「こそトレ!~おうちでこっそりトレーニング~」の公開をはじめた。
運動が苦手な人でも取り組みやすい運動プログラム
 オンライン動画プログラム「こそトレ!~おうちでこっそりトレーニング~」は、運動習慣のない就労世代や運動に苦手意識のある人を対象に、自宅でスキマ時間に身体を動かす1回10分程度のプログラム。

 運動が苦手な人でも実施しやすい内容であり、自宅で安全・安心に実施できる全6回の運動プログラムとして、健康づくりに活用できる動画となっている。

 また、制作過程ではソーシャル・マーケティングの手法を用いており、「忙しい」「疲れている」「面倒くさい」などの理由で運動不足が深刻な就労世代を対象に、自宅で無理なく身体を動かせる内容になっている。

 現在、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言などの影響で、運動不足や長時間の座りすぎにより、身体や精神の健康が脅かさせる健康二次被害が懸念されている。

 運動に意識的に取り組むことは、健康の保持・増進だけでなく、ストレス解消やうつ対策、自己免疫力を高めてウイルス性感染症を予防するためにも役立つとしている。

こそトレ! DAY1~体力チェック&レッグ~

こそトレ!DAY2~ヒップ♪~

「プラス・テン(今より10分多く体を動かすこと)」を実施
 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科・スポーツ医学研究センターと神奈川県藤沢市は、「身体活動・運動の促進に係る事業連携に関する協定書」を締結し、学官連携事業として、藤沢市保健医療財団とともに、「ふじさわプラス・テン」をはじめ、地域の課題となっている身体活動・運動の促進に協力して取り組んでいる。

 ふじさわプラス・テンは、「プラス・テン(今より10分多く体を動かすこと)」を同市で展開しているもの。2013年度から取り組んできた。

 同大学スポーツ医学研究センターの小熊祐子准教授らは、地域全体(ポピュレーション)で多面的な働きかけを行っている。

 2020年3月まで、とくに60歳以上の高齢者向けに研究を行い、同年4月以降は、運動不足が深刻な就労世代にも対象を広げ、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言下でも、安全安心に実施できるプログラムの作成を進めている。

 研究は、共同研究事業連携協定にもとづき、健康・体力づくり事業財団の「令和2年度健康運動指導研究助成」を受けて進めている研究の一環として行われている。

 藤沢市主催のオンライン講座では、今年1月より先行公開をはじめ、約240名の参加者が「こそトレ!」を実践したという。

 同大学では、今後も藤沢市との連携を強化し、同市が推進する「藤沢市健康増進計画(第2次)」における施策展開の一環として、同動画の周知・配信に支援していくとしている。