ウォーキングと筋トレを組み合わせると運動の効果は大幅に向上 メンタルヘルス改善にも有用
2024年04月26日
ウォーキングなどの有酸素運動に、筋トレ(レジスタンス運動)を組み合わせると、運動の効果を大幅に高められることが明らかになった。
筋トレは不安症やうつ病などのメンタルヘルス不調の改善にも役立つことも分かった。運動や身体活動は、薬物療法やカウンセリングなどよりも、1.5倍の効果があるという。
ウォーキングと筋トレを組み合わせると運動の効果は大幅に向上
ウォーキングなどの有酸素運動に、筋トレ(レジスタンス運動)を組み合わせると、運動の効果を大幅に高められることが、米アイオワ州立大学による研究で明らかになった。 運動をする習慣をもたずに年齢を重ね、筋力が低下している人は、ウォーキングなどを続けるのが困難である場合があるが、筋肉に負荷をかけて行う筋トレを組み合わせて行うと、運動能力が向上するとしている。 「一般的に、筋肉量は年齢とともに低下していきますが、筋トレを行えば、年齢を重ねた人でも筋肉を増やすことができます」と、同大学運動学のダックチョル リー教授は言う。 「とくに過体重や肥満のある人が、筋トレやウォーキングなどの有酸素運動に取り組むと、心血管疾患のリスクを軽減できます」としている。筋トレに取り組むと多くのメリットが
研究グループは、BMI(体格指数)が25~40で過体重や肥満があり、血圧が高めの、35歳~70歳の成人406人を対象に、1年間のランダム化比較試験を実施した。 その結果、運動に取り組んだ群は、運動をしなかった群に比べ、体脂肪率が大幅に減少したが、とくに有酸素運動と筋トレの両方に1年間取り組んだ群は、最大酸素摂取量と筋力の両方が向上した。 筋トレのバリエーションは多く、▼ウェイトマシンを使った筋トレ、▼ダンベルやバーベルなどを使ったフリーウェイト、▼伸縮性のあるゴムなどを使ったエラスティックバンド運動、▼自分の体重を使って行う自重トレーニングなどがある。 「私たちが提案している、有酸素運動と筋トレの両方を組み合わせた運動スタイルは、多くの時間を要さないことも魅力になっています」と、リー教授は述べている。筋トレはメンタルヘルスの改善にも役立つ
筋トレは不安症やうつ病などのメンタルヘルス不調の改善にも役立つことが、アイルランドのリムリック大学などによる別の研究で明らかになった。 「筋トレ(レジスタンス運動)は、同じ動作やエクササイズを繰り返すことで、筋肉や脳神経系に刺激を与え、その機能を向上させる効果が期待できます」と、同大学体育・スポーツ科のマシュー ヘリング教授は言う。 「筋トレは、ウォーキングなどの有酸素運動と比べても、共通するメカニズムと個別のメカニズムの両方を通じて、気分を高めてポジティブにする効果が高いと考えられます。有酸素運動と組み合わせると、メンタルヘルス不調の改善に役立つ可能性があります」としている。 筋トレがメンタルヘルスを改善するメカニズムはすべてが解明されているわけではないが、研究者は、脳血管の改善、心肺機能の改善による神経への影響、血糖値を下げるホルモンであるインスリンに類似したインスリン様成長因子(IGF)の増加などを指摘している。運動のメンタルヘルスを改善する効果は薬の1.5倍
Aerobic, resistance, or combined exercise training and cardiovascular risk profile in overweight or obese adults: the CardioRACE trial (European Heart Journal 2024年1月17日)
UL research confirms benefits of resistance exercise training in treatment of anxiety and depression (リムリック大学 2024年2月8日)
Resistance exercise for anxiety and depression: efficacy and plausible mechanisms (Trends in Molecular Medicine 2024年1月30日)
Exercise more effective than medicines to manage mental health (南オーストラリア大学 2023年2月24日)
Effectiveness of physical activity interventions for improving depression, anxiety and distress: an overview of systematic reviews (British Journal of Sports Medicine 2023年2月16日)
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