日本の糖尿病有病者は1000万人超 予備群は減少 国民健康・栄養調査
2018年01月17日
糖尿病が疑われる成人の推計が2016年に1,000万人に上ったことが、厚生労働省が実施した「2016年国民健康・栄養調査」で分かった。前回(2012年)調査より50万人増え、調査を開始してから最多となった。
発症に至らない糖尿病予備群は1,000万人になり、前回調査時より100万人減った。
発症に至らない糖尿病予備群は1,000万人になり、前回調査時より100万人減った。
糖尿病人口がはじめて1,000万人の大台に
調査は2016年に全国から抽出した2万4,187世帯を対象に実施。糖尿病の推計は4~5年ごとに行っており、20歳以上の男女約1万1,000人に血液検査を実施し、過去1~2ヵ月の血糖状態を示すHbA1c値を測定。HbA1c(NGSP)値が6.5%以上の人を「糖尿病が強く疑われる」と判定。HbA1c値が6.0%以上、6.5%未満を「糖尿病の可能性を否定できない」と判定した。
その結果、「糖尿病が疑われる人」は12.1%(男性16.3%、女性9.3%)に上り、1997年以降増加していることが判明。男性では50歳代で12.6%、60歳代で21.8%、70歳以上で23.2%。女性は50歳代で6.1%、60歳代で12.0%、70歳以上で16.8%が該当する。
一方、可能性が否定できない予備群は12.1%(男性12.2%、女性12.1%)。予備群は1997年以降増加していたが、2007年以降は減少している。厚生労働省では「糖尿病を発症しやすい高齢者の増加に加え、特定健康診査(メタボ健診)などによる有病者の掘り起こしなどが影響したのではないか」と分析している。
糖尿病の治療を受けている人の割合は76.6%
「糖尿病が強く疑われる人」のうち、現在治療を受けている割合は76.6%(男性 78.7%、女性 74.1%)で、男女とも増加している。性・年齢階級別にみると、40歳代男性では治療を受けている割合が51.5%で他の年代よりも低い。
50歳代の男性の3人に1人以上が肥満
2型糖尿病とも関係する肥満度はBMI(体格指数)で算出している。BMI18.5~25未満を「普通」、25以上を「肥満」、18.5未満を「低体重(やせ)」と判定した。
BMIが25以上の「肥満」の割合は男性で31.3%、女性で20.6%。とくに男性の50歳代で36.5%と、3人に1人以上が肥満だ。
1日の平均歩数は男性6,984歩、女性6,029歩
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