がんの原因は肥満と過体重 年間50万人のがん発症に影響

男性13万6,000人(1.9%)、女性34万5,000人(5.4%)のがんは、肥満や過体重が原因になっているという。肥満は食道や大腸、腎臓などのがんのリスク要因とされている。
世界では成人の肥満率が1980年以降倍増している。1980年頃のBMI(体格指数)を維持できていれば、肥満と過体重が原因のがんの4分の1に相当する11万8,000例を予防できていたはずだと、IARCは指摘している。
「ポピュレーションレベルで過体重と肥満を減らすことに保健政策上の重要なメリットがある。がんによる経済的な損失を減らすことにもつながる」と、各国に対策を促している。
肥満や過体重に関連するがんの発生数がもっとも多いのは米国で、2012年には世界全体の23%にあたる11万人を超えた。
日本を含むアジア諸国では、欧米に比べ肥満に関連するがんの発症数は多くないが、人口増加が予測されている地域であり、今後は増えていく可能性がある。中国ではがん全体の1.6%に相当する5万例が、肥満と過体重が原因だとみられている。
この傾向が続けば、特にこの30年で肥満率が大幅に増加している南米や北アフリカでは、将来的にがんによる負担が確実に増えるとみられている。
「がんを予防するために重要なことは、適正な体重を維持すること。肥満を解消することで、がんの多くは予防可能だ」と、世界がん研究基金のケイト アレン氏は強調している。
英国では肥満や過体重が原因でがんを発症した女性は年間に1万3,000人に上り、これは全てのがんの8.2%に相当する。
IARCは「閉経後の乳がんや卵巣がんなどの10%は、健康的な体重を保つことで発症を防ぐことができる」と指摘し、女性の肥満対策の重要性も強調している。