【ニュースリリース】放射線被曝がなく短時間で「こどもの内臓脂肪」を測定できる方法を開発〜小児期からの生活習慣病の適切な予防に向けて〜 ※11/28 換算式DL追加

2022年10月12日

 日本大学医学部小児科学分野阿部百合子准教授と森岡一朗主任教授の研究グループは、花王株式会社(ヘルス&ウエルネス研究所)と共同で腹部生体インピーダンス法を用いた放射線被曝のない、こどもの内臓脂肪面積の測定法を開発した。(2022年7月17日(日本時間)科学雑誌「Journal of Clinical Medicine」にオンライン掲載)

※2022年11月28日更新※
内臓脂肪計(EW-FA90)で小児を測定した場合の換算式を、エクセルファイルにてダウンロードいただけます。こちらのファイルをご利用ください。
▶ファイルをダウンロードする

こどもに適用できる内臓脂肪面積測定法

 こどものメタボリックシンドロームは、糖尿病、高血圧、睡眠時無呼吸症、脂肪肝などさまざまな健康障害を引き起こします。これらの健康障害の源流は過剰な内臓脂肪蓄積があります。
 標準的な内臓脂肪測定は腹部CT検査です。CT検査は正確な内臓脂肪を測定できるものの、放射線被曝の問題がありました。
 こうした背景をふまえ、「放射線被曝や痛みがなく、短時間で内臓脂肪面積を測定する方法」を開発する研究」が行われました。

 成人では腹部生体インピーダンス法を用いた内臓脂肪計が、臨床応用されています。これは、腹部に微量な電流を流し体内の電気抵抗(生体インピーダンス)を計測して内臓脂肪面積を測定する、安全性が高い方法ですが、体内の水分量が、成人とこどもで異なるため、こどもに適用できませんでした。
 今回、花王との共同研究により正確に測定できることを突き止めました。

 今後、本測定法を用いて、小児期からの生活習慣病の適切な予防につなげることが期待されます。
 これは、持続可能な開発目標(SDGs)の「全ての人に健康と福祉を」におおきく貢献するものです。

日本大学・花王株式会社ニュースリリース
「放射線被曝なく、短時間で「こどもの内臓脂肪」を測定できる方法を開発
 ~小児期からの生活習慣病の適切な予防に向けて~」より


▶日本大学医学部掲載のプレスリリースへ

(2022年10月)