正しい情報を知り、正しいコロナ対策と健康維持を!

松井 宏夫
日本肥満症予防協会 理事
日本医学ジャーナリスト協会 副会長

 新型コロナウイルスの感染者が激増し、死亡者も増えています。どのような人が重症化するのかもわかっています。高齢者、糖尿病・高血圧・心不全、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患のある人、人工透析を受けている人。また、免疫抑制薬や抗がん剤などを使用している人です。加えて、肥満者も重症化することが明らかになってきました。

 このような情報が正しく報道され、それを正しく判断して受け止め、行動することが重要です。ただ、報道の中には誤りもあります。

 最近、有名女優が新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなりました。その報道の中に、乳がん手術後に放射線治療を受けていて、それが免疫を低下させて死に結び付いた、というものがありました。しかし、放射線の専門医は「放射線治療で免疫力が大きく低下することはありません。ただし、放射線肺炎が起きているときに新型コロナに感染すると重症化の可能性はあると思いますが、可能性は高いとは言えません」といいます。やはり、専門医の発言に耳を傾けるべきですが、報道各社はその正しい報道を忘れていました。受け取る側は情報をうのみにすることなく、正しい情報を知るようにしてほしいと思います。

 一方、コロナ対策はこの点では正しく報道がなされています。それを実践するとともに、肥満の方々はこれまでの指導を忘れることなく続けるのが、健康維持には欠かせません。"チリツモ・ダイエット"です。

 特にテレワークになると、1日中自宅にこもりきりになる人も少なくありません。自宅から会社への往復のウォーキングもなくなります。ただ、コロナ対策としてウォーキングやジョギングが禁止されているわけではありませんので、テレワークの合間に20分のウォーキングを最低2回は行いましょう。もちろん、マスクをして人通りの少ない道を1人でウォーキング。日の光を浴びるので骨にも良い。また、室内、もしくはベランダでの筋トレも10分を3回程度加えると、1日がリズミカルに過ごせます。これが免疫力のアップにもつながるのです。

 加えて、免疫力のアップには、十分な睡眠、笑顔も欠かせません。このように前向きに過ごすことで、肥満はコロナウイルス爆発の時期にあっても改善に向かい、免疫力のある身体になるので、しっかり実践してください。

(2020年04月)