「超加工食品」が32の健康障害の原因に 肥満や心臓病のリスクが上昇 自然な食品に置き換え

 菓子パンやポテトチップスなど、体に悪いジャンクフードや超加工食品などを間食として利用していると、健康を害する原因になるという研究を、米国のジョンズ ホプキンズ大学やオーストラリアのディーキン大学などが発表した。

 超加工食品の食べすぎは、32の健康障害と関連しており、肥満・心臓病・がん・2型糖尿病・肺疾患などのリスクが上昇するだけでなく、うつ病などのメンタルヘルス不調にもつながるとしている。

 「超加工食品が健康にどのような影響をもたらしているかを理解し、食べるのを減らすために緊急の対策が必要です」と、研究者は述べている。

超加工食品の食べすぎは健康障害を引き起こす

 研究は、医学誌「ブリティッシュ メディカル ジャーナル」に発表されたもの。超加工食品を多く食べる食事スタイルは、有害である可能性があるとしている。

 「超加工食品」は、工業的な過程を経て製造されており、色・風味・食感を調整したり、保存期間を延ばすために、さまざまな食品添加物が使用されている。糖分・塩分・脂肪を多く含む、高カロリーのものも多い。

 ▼清涼飲料や炭酸飲料、▼ポテトチップスなどのスナック菓子、▼菓子パン・総菜パン、▼カップ麺などのインスタント食品、▼ピザ・チキンナゲット、▼ケーキ・クッキー・ビスケット・パイ、▼ドーナツ・マフィンなどが超加工食品だ。

 「超加工食品の消費は、この数十年で世界的に急速に増えています。これらの食品の多くは、糖分・塩分・脂肪が多く含まれ、必要なビタミンや食物繊維などはあまり含まれていません」と、ディーキン大学心身医療研究所のメリッサ レーン氏は言う。

 高所得国で超加工食品によるエネルギー摂取が、1日の総エネルギー摂取量の最大58%を占めている可能性があるという。低・中所得国でも、超加工食品の消費は急速に増えている。

食べすぎると肥満やメンタルヘルス不調のリスクが上昇

 研究グループは今回、超加工食品による健康への悪影響について調べた45件の研究を解析した。対象となったのは988万8,373人に上る。超加工食品の製造に携わる企業から資金提供を受けた研究は取り除いた。

 その結果、超加工食品の食べすぎは、32の健康障害の増加と関連しており、超加工食品の摂取量が多いと、すべての原因による死亡のリスクが21%増加し、心血管疾患に関連する死亡のリスクは50%増加することが示された。

 超加工食品の食べすぎにより、肥満や睡眠障害などのリスクは40~66%上昇し、2型糖尿病のリスクも12%上昇した。

 さらには、不安症などのメンタルヘルス不調のリスクは48~53%上昇し、うつ病のリスクは22%増加することも示された。

 超加工食品の食べすぎは、喘息などの呼吸器疾患、胃がんや大腸がん、脂質異常症、善玉コレステロールの低下などの心臓代謝のリスクとも関連していた。

超加工食品の食べすぎを減らすことが必要

 「超加工食品が、人々の健康を損ない、寿命を縮めている可能性があります。今回の研究は、健康を改善するために、超加工食品の食べすぎを減らすことが必要であることを裏付けるものです」と、研究者は述べている。

 国際的な機関や各国の政府は、タバコの規制に関する条約を採択したのと同じように、超加工食品の制限に関する条約を策定する必要があると指摘している。

 食品会社が、より栄養価の高い食品を製造するのを促すために、公共的な政策も必要としている。さらには、食品パッケージのラベルを改善したり、広告を制限し、学校や病院などの公共性の高い施設の近くで販売を禁止したり、加工度の低いより自然な食品を入手しやすくし利用を増やす対策も必要としている。

超加工食品をより自然な食品に代えると健康リスクは減少

 超加工食品を多く食べている人は、自然の食材を使った食品を食べている人に比べ、肥満や糖尿病のリスクが高いことが、フランスの大規模な調査でも示されている。

 肥満などのリスクを減らすために勧められるのは、ヨーグルト、野菜、全粒穀物、ナッツ類などの加工度の少ない、より自然に近い食品だという。

 研究グループは2009~2019年に、約10万5,000人(平均年齢 43歳)のフランス人の食事記録を調べた。調査の参加者は、24時間の食事についてのアンケート調査に3回以上回答し、食事記録では3,500種類以上の食品について調べられた。

 その結果、超加工食品を多く食べている人は、喫煙、肥満、運動不足が多い傾向があり、脂肪の多い肉や加工肉の摂取量が多く、全粒穀物、果物、野菜の摂取量が少ない傾向があることが分かった。

 さらに、超加工食品の摂取量が10%増えるごとに、糖尿病の発症リスクは15%増加することが明らかになった。

 過去の研究でも、1日の摂取カロリーの70%を超加工食品から摂取している人は、40%以下の人に比べ、心血管の健康が良好である割合が半分に減少することが示されている。

 「自然に近い食品は、糖質・脂肪・塩分がより少なく、低カロリーであることが多いのです。肥満や糖尿病のリスクを下げたいのであれば、脂肪の多い加工肉や、高カロリーの清涼飲料や菓子類などを減らすことをお勧めします」と、フランスのパリ13大学のベルナー スロウ氏は述べている。

 「加工食品の栄養表示をみたときに、原材料のリストが長く、化学物質が多く含まれる場合は、それが超加工食品である可能性が高いので、注意が必要です」とアドバイスしている。

Consistent evidence links ultra-processed food to over 30 damaging health outcomes (ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2024年2月29日)
Ultra-processed food exposure and adverse health outcomes: umbrella review of epidemiological meta-analyses (ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2024年2月28日)

New look at nutrition research identifies 10 features of a heart-healthy eating pattern (米国心臓学会 2021年11月2日)
Ultraprocessed Food Consumption and Risk of Type 2 Diabetes Among Participants of the NutriNet-Santé Prospective Cohort (JAMA Internal Medicine 2019年12月16日)
Association Between Ultraprocessed Food Consumption and Risk of Mortality Among Middle-aged Adults in France (JAMA Internal Medicine 2019年2月11日)

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]