ショッピングモールとスマホを活用し歩数を増やす ウォーキングプログラムの成果 どんな人に効果があったか?

 千葉大学予防医学センターとイオンモールは、スマートフォンのアプリを活用したウォーキングプログラムに参加した人は、1日の歩数が約1,200歩多かったことを、約21万人の2,300万日分のビッグデータの分析により明らかにした。

 とくに都市部・郊外・大型モール・女性・高齢者で、歩数が多く増えることが示された。ショッピングモール施設とスマホアプリを組合わせて活用し、ポイント付与のある歩行プログラムに参加してもらうことは、日常生活でのウォーキングの促進につながるとしている。

ショッピングモールでウォーキングプログラム アプリを活用

 千葉大学予防医学センターとイオンモールは、スマートフォンのアプリを活用したウォーキングプログラムに参加することで、1日の歩数を約1,200歩増やせることを、約21万人の2,300万日分のビッグデータの分析により明らかにした。

 研究は、千葉大学予防医学センターの花里真道氏やイオンモールなどによるもの。研究結果は、米国医師会の国際医学誌「JAMA Network Open」に掲載された。

 研究グループは今回、スマートフォンアプリ「イオンモールアプリ」に、2021年の1年間に記録された日本全国の21万7,344人のユーザーの2,363万8,110日分のデータを性別、年齢による歩数の差異を調整して解析した。

 「イオンモールアプリ」は、各地のイオンモールに入っている店舗のクーポンなどを配信する無料のアプリで、ウォーキングの歩数を記録する機能もあり、週間の全国ランキングを表示したり、ポイント付与などのインセンティブを設けることができる。

 提供したウォーキングプログラムは、モール内で1日に1,000歩を歩くと、抽選でポイントが得られるくじが引けるなどの内容になっていた。

アプリを使用した参加者は1日の歩数が1200歩以上多いという結果に

 その結果、アプリを使用した参加者は、ショッピングモール136店舗でのプログラムに参加した日(プログラム参加日)は、参加していない日に比べ、1日の合計歩数が1,219歩多いことが分かった。

 また、プログラム参加日には、▼都市部と郊外のモールで歩数が多い(20万人未満を地方部、20万人以上50万人未満を郊外、50万人超を都市部とした)、▼総面積が6万平方メートル以上の大型モールで歩数が多い、▼女性や65歳以上の高齢者で歩数かが多いなどの傾向がみられた。

 「今回、性別や年齢による差異を統計学的に調整したデータ分析を実施したところ、プログラム参加日は平均歩数が1,219歩多いという結果になりました」と、研究者は述べている。

 「身体活動は、肥満・高血圧・糖尿病・心血管疾患など、さまざまな疾患の予防に効果的であることが報告されています。ショッピングモールに来店し、ウォーキングプログラムに参加するなどの活動に参加することで、歩数を増やすことは、健康づくりに役立つ可能性があります」としている。

ショッピングモールでウォーキングプログラムに参加した日は歩数が増加

出典:千葉大学、2024年

「産学民」で地域住民の健康保持・増進に役立つプログラムを提供

 千葉大学予防医学センターとイオンモールは、イオンモールが取り組むイオンモールウォーキングに関して、地域住民の健康やコミュニティに及ぼす影響を明らかにすることを目的に、「イオンモールウォーキングと健康」を題材に共同研究を実施している。

 これまでの共同研究で、プログラム実施日と非実施日の1日の歩数を、それぞれ3日以上記録した10万991人の参加者を対象に調査を実施し、実施日は非実施日に比べ、平均歩数が1,306歩多いことを明らかにしている(2022年8 月時点)。

 「今後も、環境や人の行動と歩数の関係を調査・分析し、地域住民の健康保持・増進に寄与する環境や行動に関する知見を明らかにしていきます」と、研究者は述べている。

 なお、この研究は、科学技術振興機構(JST)が公募する産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム事業に採択された、「ゼロ次予防戦略によるWell Active Community(WACo)デザイン・評価技術の創出と社会実装」の一環として実施された。

千葉大学予防医学センター
イオンモールアプリ (イオンモール)
A Smartphone-Based Shopping Mall Walking Program and Daily Walking Steps (JAMA Network Open 2024年1月30日)